私は90年代の終わり頃に、インターネットと出会いました。
自分の書いた文字や作った画像や音声を、知らない人に届けることができるという体験に衝撃を受け、当時所有していたMacにバンドルされていたクラリスホームページというホームページ作成ソフトを使って、自分のホームページを作成したのが出発点です。
Web関連の書籍もスクールもない時代だったので、すべてが暗中模索、まるで自宅が研究室にでもなったかのように、ホームページ作成の実験を繰り返していました。
00年代に入り、Flashを使った「動くホームページ」が登場。雑誌「Web Designing」が毎月取り上げる作品に目を奪われ、特に中村勇吾さんが制作したホームページは、新しいアートそのもので多くのクリエイターに刺激を与え、ITの最先端とデザインの最先端は、まさにそこにありました。
その後まもなく、「SEO」という概念が登場、ホームページ制作=クリエイター業界ともいえる状況から一変、マーケティング分野と急接近していき、ホームページはビジネスアイテムとして欠かせないものへと変わっていきました。
そして、SNSの時代からAIの時代。今後も目まぐるしく変化していくことが想像されます。
私は、2002年頃にある音楽系企業にWebデザイナーとして採用され、キャリアを出発しました。ホームページ(当メディアでは、あえてWebサイトではなくホームページといいます)の黎明期から、ずっと現場でホームページ制作に関わり続けている中で、表層的な技術は目まぐるしく変化し、ホームページ制作者に求められる手先の技術は移り変わるものの、一方でずっと変わらないものもあるような気がしています。
当メディアは、以下の3つに焦点を当て、探求する実験メディアです。
ホームページは今もなお、デザインを表現する媒体でもあり、マーケティングや集客ツールでもあり、あるいはコミュニティにおける情報共有の場としても機能します。
ビジネスにおける重要なアイテムとしてその位置を獲得している一方で、多岐に渡る役割があるからか、ホームページ制作を生業とする人も、事業のためにホームページが必要な人にとっても、「正しいホームページの在り方」については模索をし続けています。
この、答えなき永遠の宿題のようなテーマに対し、早急な答えを出すことなく、少しずつ探求していきたいと思います。
株式会社それからデザイン 代表
株式会社smallweb 代表
佐野 彰彦